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2025-08-13

レポート

IPA ネットワークスペシャリスト試験 合格記

情報処理技術者試験ネットワーク

概要

2025年春試験でネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)に合格したので、その道のりを記載します。

資格試験を受けるとき、私はまず最初に合格した人の体験記を読むところから始めるので、私の経験がどなたかの役に立てばいいなと思って書くことにしました。

受験者である私の属性

大学・大学院ではネットワークを専攻。 入社後は放送技術やスマホアプリ/Webアプリ開発を経験し、その後2014年9月より社内情シス部門でネットワーク・セキュリティ・インフラを担当しています(約1年間の離任期間あり)。 これまでに、管理ネットワークの保守・更新、コロナ禍でのテレワーク環境再整備、ゼロトラストを意識したNW・PC環境構築などを担当。一方でIPv6やIoTは未経験です。

 

午前Ⅰ免除資格を持っており、以前から受験しようと思いつつ先延ばしにしていた本試験に挑戦しました。 IPA試験としては、情報処理安全確保支援士、プロジェクトマネージャに続く3回目の受験です。

 

利用した参考書

  1. 情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2024年版

    • 午前Ⅱ対策として利用

    • 情報処理安全確保支援士受験の際に購入、その後ずっと利用しています

  2. ネットワークスペシャリスト 「専門知識+午後問題」の重点対策 2025-2026

    • 分野別に過去問が整理されており効率的です
  3. ネスぺの基礎力

    • 午後対策に。内容は平易でネットワークの初学者向け。

    • 知識の確認のため、一通り読みました

  4. ネスぺR6

    • 午後対策に。

    • 解答の作成に関する考え方や、採点の考え方が書いてあるのが良かったです。

    • 何年分も買わなくてもいいと思いますが、1冊は欲しい。

 

利用したサイト

  1. ネスぺイージス

    • ネスぺの範囲は広く、教科書では足りない部分の補完として利用しました

    • 詳細なプロトコルシーケンスなどもあり、重宝しました

スケジュール

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スケジュールを記憶をもとに記載しました。

TOTAL 71時間ほど、うち午前Ⅱ 18時間、午後(Ⅰ&Ⅱ) 53時間くらいだったと思います。

 

個人的には、ネットワークというジャンルは大学時代の専攻であることや、業務として10年間携わっていることから、「落ちたら恥ずかしい」という気持ちでした。

絶対に落ちたくなかったので、逆にIPAの試験の中ではこれまでで一番準備したかもしれません。

約3週間前(試験まであと22日~16日)

過去2回IPA試験を受験してみて感じたのは、まずは午後試験に触れてみることが大事ということ。

そのため、3週間前に一度上記書籍の「2(重点対策)」を利用して午後試験を解いてみました。

過去2回の試験と違い、国語試験というよりは知識を問う問題が多い印象を受けました。解答文も、文章をよくきちんと読んで引用しながら書く、というよりも、知識から解答することが多いのかなと感じました。

 

約2週間前(試験まであと15日~9日)

「4(基礎力)」を休日一日で一通り実施し、内容的に平易で自信になりました。このころは平日はあまりせず休日を中心に勉強しています。

基本的には「2(重点対策)」をやり続けています。

 

約1週間前(試験まであと8日~1日)

これまで「2(重点対策)」を中心に実施していましたが、過去問を解いているとどうしてもネスぺの試験範囲が広範囲に及んでおり、知識としてカバーしきれていないという実感がありました。

そのため、急遽ネスぺイージスを読み、自分の中で大事だと思ったところ、知識があいまいなところをまとめた資料を作成していきました。試験までは知識の確認にこの資料を利用しました。試験まであと8日~7日の二日間を利用しました。

その後は「4(ネスぺR6)」6時間ほどなど、過去問を解いて解答を読み知識を補充する、ということを繰り返しました。

また、午前Ⅱ対策も徐々に始めましたが、午前Ⅱについてはある程度自信があり、気分転換や寝る前などに実施する程度でした。

 

解答方針

過去問を解いてみて、以下を念頭に試験当日にのぞみました。

  • 文章引用にこだわらず、知識ベースで解答。

  • 迷った場合は原因に近い方を選択。

  • 未出ジャンルは問題文内の解説を丁寧に読み、諦めない。

    • 未出ジャンルほど問題文の中に解答に必要な知識が記載されている
  • 類似問題の再出題は少なく、知識習得の重要性を実感。

 

当日

いつも通り昼は稲荷ずしとお茶、レッドブルのみとしました。

午前Ⅱは過去問と同じものは少ない印象でしたが恐らく合格点は超えていると思いました。

午後Ⅰも終わった直後は満点では?と思うできで、午後Ⅱは過去あまり出ていないジャンルで仕事上もあまり経験していないIPv6とIoTからの出題しかなく焦りましたが、やはり問題文の中に解説されており、試験が終わったときはこちらもほぼ満点ではないか?と思いました。

自信満々で合格発表まで過ごしました。

 

結果

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自信満々でしたが、ふたを開けてみると午後Ⅱがギリギリでした。

 

とりあえず合格できたことで一安心しましたが、もっと精進しないと、と気持ちを新たにしました。

 

 

総評

  • 上記の回答解答方針は有効でした。

  • 過去問を繰り返し解くことはあまり意味がないかもしれません。1回ずつ、時間の許す限り解いて、足りない知識を本やサイトで調べて補完していくことや、出題範囲を(過去問が出ていない部分も含めて)ある程度知識として入れておくことが必要かと思いました。

  • 特にIPv6やIoTは過去にあまり出ていないことや、もし出題されてももう片方の問題はこれら以外の問題だろうからそちらを選択すればいいと考え、あまり真剣に勉強していませんでした。しかし、まさかのダブル出題でした。やはり出題範囲の内容は捨てずにすべてある程度網羅しておいたほうが安全かと思います。

 

まとめ

絶対に落としたくないという気持ちで臨んだ今回の試験ですが、午後Ⅱの点数がギリギリで、やはりもっと勉強しないといけないな、と改めて感じました。

 

同時に受けた後輩も合格しており、ABCでもネスぺ保持者は徐々に増えています。

放送技術職でもネットワークの知識はますます必要になっており、私も今後も勉強を続けていきたいと思います。


この記事の著者

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中井 隆幸

朝日放送グループホールディングス株式会社 DX・メディアデザイン局 ICTチーム

2008年入社、ICTチーム(情報システム・働き方改革)所属。 ネットワーク・セキュリティエンジニア。HD/TV/RD社の業務系NWやツール(GWS, IDaaS, etc)の担当。CSIRTメンバ。2023年のABChat導入などABCグループの生成AI導入も先導。 NWを中心とした全社IT設備統合PJも実施中。