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JDLA E資格 2026#2 合格体験記

概要

2026年8月に実施された「JDLA Deep Learning for ENGINEER 2026 #2(E資格)」を受験し、無事合格しましたので、その道のりを記載します。

資格試験を受けるとき、私はまず最初に合格した人の体験記を読むところから始めるので、私の経験がどなたかの役に立てばいいなと思って書くことにしました。

これまで情報処理安全確保支援士、プロジェクトマネージャ、ネットワークスペシャリストと合格記を書いてきましたが、今回はIPAではなくJDLAによるAI・ディープラーニングの資格です。

受験者である私の属性

大学・大学院ではネットワークを専攻していました。

入社後は放送技術やスマホアプリ/Webアプリ開発を経験し、その後2014年9月より社内情シス部門でネットワーク・セキュリティ・インフラを担当しています。

そのため、ネットワークやセキュリティは本業ですが、機械学習やディープラーニングを専門として仕事をしてきたわけではありません。

また、放送技術(電波)では数学を利用しますが、2014年以降はほとんど数学に触れていませんでした。「Deep Learningは数学だ」ということを知らなかったので、最初はかなり苦労しました。


一方で2023年~2024年頃には社内でLLMに関するプロジェクトを立ち上げ、ABCグループ向けChatGPT「ABChat」など、生成AIを利用したサービスの企画・開発に携わってきました。

LLMを仕事で利用する中で、TransformerやAttention、Embedding、RAGなどは実際に触っていましたが、

「なぜそうなるのか」

という理論部分はかなり曖昧なままでした。

生成AIだけでなく、機械学習・ディープラーニング全体を一度体系的に勉強してみたいと思ったことが、E資格を受験した一番の理由です。

資格そのものが仕事上必要だったわけではなく、かなり個人的な興味からの受験です。


いきなりE資格はハードルが高かったので、事前にG検定 2026#2を受験し合格しています。

E資格について

E資格は、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する資格です。

また、誰でもすぐに受験できるわけではなく、事前にJDLA認定プログラムを修了する必要があります。

私は認定プログラムとして「ラビット・チャレンジ」を受講しました。

今回受験したE資格2026#2からシラバスが変更されており、大きく以下のような内容が出題範囲となっていました。

  • 数学的基礎
  • 機械学習
  • 深層学習の基礎
  • 深層学習の応用
  • 開発・運用環境

試験時間は120分で、全国のテストセンター(指定試験会場)のパソコン端末を利用して受験する CBT(Computer Based Testing)方式 となります。

利用した教材

1. ラビット・チャレンジ

E資格の受験資格を得るために受講しました。選んだ理由はとにかく安いこと、加えてオンデマンド動画を見て自学自習するというスタイルが自分に合っていると感じたからです。

E資格のシラバスに沿って、

  • 応用数学
  • 機械学習
  • 深層学習
  • 実装

などを一通り学習できます。

私の場合、「まず全体像を理解するために進める」という使い方をしました。

初めて知る内容も多く、最初からすべて理解しようとするとかなり時間がかかると思います。

ただし、応用数学については本講習でかなり勉強しました。講師もわかりやすく詳しく教えてくれるので大変ためになりました。

また、E資格の受験資格を得た後に開放されるコンテンツ(公式例題集など)は大変勉強になりました。

2. 深層学習教科書 ディープラーニング E資格(エンジニア)精選問題集(通称:白本)

応用数学以外の詳細な勉強は、この本を中心に後述するChatGPTを用いて実施しました。

3. ChatGPT(GPT-5.6)

今回はかなり使いました。

特に、

  • 最尤推定/MAP推定
  • 情報理論
  • PCA
  • CNN
  • RNN/LSTM
  • Transformer
  • Attention
  • 物体検出
  • セグメンテーション
  • 強化学習
  • XAI
  • 半教師あり学習

などについて、

「この数式は結局何を表しているのか」

「この2つは何が違うのか」

といったことを何度も質問しました。

学生時代以来ほとんど触っていなかった数学も多く、ChatGPTに何度も初歩的なところまで戻って説明してもらいました。

家庭教師が常に横にいるようなものなので、この使い方はかなり相性が良かったと思います。

スケジュール

  1. ラピット・チャレンジ

    3月頃から5月頃、ラピット・チャレンジを受講するための試験に合格するために、数学の動画を一通りみてノートもまとめました。この辺りは結構ゆっくり勉強していました。

    その試験に合格した後、5/14~7/1まで、平日は出社前の2時間、休日は3時間程度、動画を視聴したり途中で設定されている中間テストを受験していました。とくに最初の2週間程度は応用数学の部分で、動画視聴の後に追加で2時間ほどを利用してまとめノートを作成していました。

    トータルで、120時間ほどです。

  2. 白本

    すこし間をあけて7/20~8/29(試験の前日)まで約1か月、こちらも平日は毎日出社前の2時間、休日は3時間~8時間ほど勉強しました。また、各単元ごとにまとめノートを(ChatGPTとも壁打ちしながら)作成しました。見直しは基本的に自分で作成ノートを利用しました。(間に1週間弱旅行にも行っており、その間はほぼ勉強していません。)

    トータル80時間ほどかなと思います。


最終的にノートは2冊になりました。TOTAL 200時間ほどだったと思います。

これまでのIPA試験は試験数週間前から一気に勉強することが多かったのですが、今回は専門ではない分野であることと、認定プログラムの受講も必要だったため、3月ごろからかなり長期間勉強しました。

試験当日

2026年8月30日に受験しました。

1問1問に時間をかけて回答していました。途中で時間を問題数で割ると、時間に余裕のないことがわかり少しペースアップをしましたが、最後までそれは変わることはありませんでした。最後の問題を回答したタイミングで、残り10秒しかありませんでした。

試験終了時点では、「たぶん合格していると思う」という感触でした。

これまでのIPA試験では合格発表まで2か月ほど待つことが多かったので、それに比べれば短いのですが、それでも結果が出るまでは少し落ち着きませんでした。

勉強方針

応用数学については、大学以来ほぼ触っていない内容も多く、「こんなのやったっけ?」というところからのスタートでした。

確率・統計、最尤推定、MAP推定、PCAなどについて、数式を追いながら一つずつ確認していきました。

機械学習、深層学習については、TransformerやLLM周辺は仕事で触ったことがあったため比較的理解しやすかったのですが、CNNや画像認識、強化学習などはほぼ新しく勉強する内容でした。

特に、

「Batch NormalizationとLayer Normalizationは何が違うのか」

「ResNetはなぜ勾配消失を防げるのか」

「CAMとGrad-CAMは何が違うのか」

といった、似た技術を比較しながら整理することを意識しました。


E資格の勉強をしていて面白かったのは、これまで断片的に知っていた技術がつながっていったことです。

例えば普段仕事で利用しているLLMについても、Attention、Transformer、自己回帰モデル、言語モデルという流れで勉強すると、「だからこうなっているのか」と理解できる部分が増えました。


私の場合、単語だけを暗記すると似た技術がどんどん混ざってくるため、

  • 何をする技術なのか
  • 何が入力で何が出力なのか
  • 何と比較される技術なのか
  • 数式のどこを見るべきなのか

を意識して整理、比較表を作るなどしました。


ただしE資格は範囲がかなり広く、全部を完全に理解するのは難しいです。

最終的には、「少なくとも何の技術なのかは説明できる」くらいの状態まで持っていくことを目標にしました。

結果

9/18 11時ころ、メールで受験結果が送られてきました。

結果、無事合格しました!

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全分野80%以上だったので、かなり余裕をもって合格できたと思います。


総評

  • かなり範囲が広い試験です。

    数学、機械学習、CNN、RNN、Transformer、画像認識、自然言語処理、生成モデル、強化学習、XAI、開発環境など幅広く出題されます。

  • Deep Learningは数学です!

    数学から理解することで、すんなり理解できることも多かったように思います。私は当初は数式の導出までできるようにしていたのですが、白本を解いている上で「この式は何を求めているのか」「この項は何を意味するのか」を理解することも重視しました。

  • 似た技術を比較して覚えるのがおすすめです。

    Batch NormalizationとLayer Normalization、CAMとGrad-CAM、転移学習とファインチューニング、自己教師あり学習と半教師あり学習など、比較表を作るとかなり整理しやすかったです。

  • 実際にAIを使ったり実装したりした経験は役立ちます。

    私の場合、LLMやRAGについては仕事で実際に利用していたため、単に教材のみで理解するよりも深く理解できたと思います。

  • ChatGPTとの相性が非常に良い試験勉強でした。

    わからない数式や概念について、その場で「もっと簡単に」「具体例で」「この技術との違いは?」と聞けるので、教科書だけで勉強するよりかなり効率が良かったと思います。

まとめ

これまでネットワーク・セキュリティを専門として仕事をしてきたため、AIについては2023年からLLMを中心に触り始めた、というのが私のスタート地点でした。

ABChatなどを作る中で生成AIについて調べることは増えましたが、どうしても必要になった技術だけをつまみ食いする形になります。

今回E資格の勉強をしたことで、機械学習からディープラーニング、そして現在の生成AIまで、一度体系立てて学ぶことができました。

資格に合格したこと以上に、

「あれとこれはこうつながっていたのか」

ということが増えたのが、個人的には一番良かったところです。

もちろんE資格に合格したからといって、AIエンジニアになれるわけではありません。

むしろ勉強してみて、知らないことがまだ大量にあることがよくわかりました。

今後は資格の勉強としてではなく、実際にモデルを動かしたり、論文を読んだり、サービスを作ったりしながら、もう少しAIそのものを勉強していきたいと思います。

AUTHOR

中井 隆幸

朝日放送グループホールディングス株式会社 デジタル・アーキテック局 ICTチーム

2008年入社、ICTチーム(情報システム・働き方改革)所属。 ネットワーク・セキュリティエンジニア。HD/TV/RD社の業務系NWやツール(GWS, IDaaS, etc)の担当。CSIRTメンバ。2023年~のABChat導入などABCグループの生成AI導入を実施。 NWを中心とした全社IT設備統合PJも実施中。

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