概要
おは朝パーク2025にて、「おはパスポート」を出展いたしました!
「おはパスポート」では主に以下の二つの仕組みを、DXチームで実装いたしました。
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来場者の皆様の写真を撮影し、おきたくん風に変身したイラストを作成、入館証のようなカード「おはパスポート」にしてお渡しする(下図 STEP1 → STEP2)
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会場内に設置されたブースでご自身の「おはパスポート」をかざすと、おはよう朝日ですに出演しているアナウンサーの声を学習したAIアナウンサーが、ご自身の名前とコメントをしゃべってくれる(下図 STEP3)

本記事では、これらを実施することになった経緯やシステムの全容を記載します。
おは朝パーク2025とは
ABCの朝の情報ワイド番組「おはよう朝日です」から生まれた体験型イベント、それが「おは朝パーク(通称:おはパー)」です!
4回目を迎えた今回も、例年通り「土日」の2日間にわたって開催されました。
「あしたも元気でいってらっしゃい」を合言葉に、みなさんに「体験」していただくコンテンツが盛りだくさん!そんな数ある企画の一つとして、「おはパスポート」を出展させていただきました。

おはパスポートを実施することになった経緯
以前、本Tech Blogでご紹介した「生成AIをフル活用!“異世界転生”で〇〇な自分を覗き見!?」のように、ここ数年、ABCグループ社向けイベント”DXフェス”にて、生成AIをエンタメに活用した展示を続けてきました。
「エンタメ × 生成AI」の展示にこだわってきたのは、番組やイベントを担当している方々に、「AIってこんなに楽しく使えるんだ!」という発見や、新しい生成AIの使い方のヒントにしてもらいたい、という思いがあったからです。
そのような中、今回、この「異世界転生」を見ていただいた方がきっかけで、「おは朝パーク」にもこういったものを出展したいと我々にお声がけくださり、一緒にブレストさせていただく中で今回の企画内容で出展することが決まりました。

我々としては大変ありがたいお声がけをいただきましたし、視聴者の方に向けてお金をいただいてサービスを提供する、ということで、いつも以上に気を引き締めて、トラブルの少ない、そして楽しんでいただけるサービスを作ろうということでモチベーション高く取り組みました。
「おはパスポート」実施メンバ
おはパスポートを実施するにあたって、LLM-PJを立ち上げた中井がPM、異世界転生を主導した山下がPL、メンバとして、小野山(異世界転生など担当)、橋本(最近うちの局に異動)、上田(入社2年目)の、合計5名で実施しました。

スケジュール
お話をいただいたのが3月頃でした。
ブレストに合わせてプロトタイプを作成、現場の方とイメージを合わせながら実施内容を決定し、その後要件定義、製造工程、結合試験、運用テストと進みました。
8月は高校野球のネット配信など他業務もありあまり進みませんでしたが、無事完遂できました。

開発・運用のこだわりポイント
① お客様をお待たせしない販売方法
今回は「できるだけお客様をお待たせせずに楽しんでいただきたい」という思いから、チケットは公式HPでのオンラインでの予約販売のみとさせていただきました。
また、事前に入念なシミュレーションを行い、スムーズにご案内できる人数を算出。それに基づいてチケット販売数を調整しました。
無事完売となり、当日はお待たせすることなく楽しんでいただけたと思います!
② カードの作成フローとそれに合わせたシステム設計
今回、カードの作成フローとしては以下のように設計しました。
機材構成は、カード印刷機が(費用の都合上)3台に対し、撮影ブースは6ブースありました。 そのため、撮影ブースとカードのお渡しブースを物理的に分離することで、運用側・お客様側双方にとってスムーズなフローを実現しています。
また、このブースを分離した運用に合わせてシステムも設計しました。撮影担当とお渡し担当、それぞれの役割に特化したUIを作成し、当日担当についたスタッフが戸惑うことなく操作できるようにしました。

【撮影ブース側UI】

【お渡しブース側UI】

本格的なシステム開発の経験がないメンバーも多く、システム設計や要件定義はかなり丁寧に進めました。特に、トラブル時のBプランについてはかなり意識してもらいました。
③ トラブル時のBプラン
まずシステム設計として、トラブル時の復旧が簡単になるよう、できるだけスタンドアロンで動く設計とし、DBへの連携はログやフラグ管理のみと最低限に。撮影ブースからお渡しブースへの生成イラスト画像の受け渡しもローカルファイル共有でトラブルの発生をできるだけ抑えるようにしました。
撮影ブース用PCが壊れた場合は、予備のPCに置き換えるだけで利用できます。また、基本的には(DB以外は)スタンドアロンで動作し、サーバのない仕組みとし、できるだけ故障ポイントを減らしています。
また、お渡しブース用PC(アプリ)が使えなくなっても、Windowsの仕組みだけで印刷する仕組みを手順化、万が一の事態に備えていました。
画像生成AIは、A社のものを利用していましたが、万が一そのAPIが使えなくなった場合に備えて全く違うB社のものでも動作するよう検証、またかわいいイラストになるようパラメータやプロンプトも追い込んでいました。
APIをたたくための回線も2重化。費用は掛かりましたがトラブルに備えて回線を二つ用意しました。
④ システム監視
少人数でもシステムの正常稼働を監視できるよう、Grafanaで監視ダッシュボードを構築しました。
ブースごとの動作状況に加え、AIサービスの稼働状況をAPIで取得して可視化し、エラー発生時に原因切り分けができるようにしました。
また、予備系への切替に備え、監視対象(本番系/予備系)を選択して確認できる構成としました。

⑤ AIアナウンサー
記事も長くなってきたので、詳細は別記事で!
まとめ
我々テレビ局の技術者が、直接お客様の利用するシステムを構築し、目の前で利用していただく、ということはあまりありません。
そのような中、実際にお客様に向けたシステムを構築できたこと、また実際に利用していただいた皆様の笑顔を拝見できたことは貴重な経験となりました。
また、これまで社内向けイベントで展示してきた生成AI×エンタメが、こういった形で外に公開できたということは技術者としても良いことだったと思います。
今後も新しい技術を使って皆様を笑顔にできるよう、頑張っていきたいと思います!


