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2025-03-03

研究開発

MetaHumanの服を自作してみた

3DCGMetaHumanUnreal Engine

MetaHumanの洋服は自作できる!

MetaHumanCreatorのデフォルト洋服の壁

以前の記事ではMetaHumanにMixamoからアニメーションを適用する方法や、顔のアニメーションを適用する方法をご紹介してきました!

人の動きを再現できるようになったものの、洋服をもっと自分好みにカスタマイズできたら…🤔と思われた方もいらっしゃることと思います。

 

そこで今回はMetaHumanに自作の洋服を着せてカスタマイズする方法をご紹介します!

 

今回、DX・メディアデザイン局が主催する社内イベント「DXフェス2025」の開催に伴い、このイベントにちなんだ服装に着せ替えてみようと思います。

DXフェス2025についてはこちらの記事を、過去の開催については過去の記事①過去の記事②をご覧ください。

 

動作環境

  • OS : Windows11

  • CPU : Intel Core i9-13900KF

  • GPU : NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti

  • Unreal Engine 5.3.2

  • Autodesk Maya 2022

 

自作の洋服を適用する手順

MetaHumanを用意する

まずは洋服を着せたいMetaHumanを用意します。

MetaHuman creator を開き、利用したいMetaHumanの見た目を自由にカスタマイズしてください。

このとき、上半身を着せ替えたい場合は上半身の洋服を無しの状態に、下半身を着せ替えたい場合は下半身の洋服を無しの状態にしておきましょう!

 

今回は上半身のみ着せ替えたいため、上半身の服は無し・下半身にはボトムスを履いてもらった状態でMetaHumanを作成しました!

上半身のスタイルで服は無しに、 image

 

下半身のスタイルはお好きなものを選んでください。 image

 

MetaHuman を Maya にエクスポートする

Quixel Bridgeを開き、使用したい MetaHuman の Download Settings をクリックします image

 

MODELS の設定を以下のように設定します image

 

画面右下の Download を押してダウンロードを待ちます

その間にMaya2022を開いて待機しましょう!

(私はこのダウンロードに2時間かかりました、、、)

 

ダウンロードが完了したら、右下の Export を押します Monosnap_Image_2025-02-17_16-14-55

 

Maya の画面に人物のCGが表示されればエクスポート完了です! image

 

この人物の骨格に合わせて洋服の準備をしましょう!

 

Maya で洋服の設定をする

設定が Z-up になっているので Y-up に変更します image

 

軸に対して人が寝そべっている状態になるので rig > joints_grp > root_drv の回転Xを -90 にします

同様に Lights の回転Xも -90 にしておくと光の当たり具合も違和感がなくなります image

 

 

早速着せたいオブジェクトを用意しましょう

今回は DXフェスにちなんだ服装 ということで、イベント時に私たちが着ている法被をモデリングしました! image

 

 

一からモデリングする場合は人物のポーズに合わせてモデリングします

既存のモデルを利用する場合は服のモデルに合わせてボーンの回転を調整しましょう image

 

 

この状態で一度、現在表示されている頭と身体のメッシュを非表示にし、rig > body_grp > geometory_grp > body_lod0_grp > m_med_nrw_combined_lod0_mesh を表示させます

(眼球などはそのままで問題ありません) image

 

 

Body_joints を右クリックし、セットメンバーの選択をクリックします image

 

 

その状態でShiftキーを押しながら、服のモデルを選択します image

 

 

モードをリギングにし、スキン > スキンのバインド でボーンをモデルにバインドします image

 

 

身体のモデル m_med_nrw_combined_lod0_mesh を選択し、Shiftキーを押しながら服のモデルを選択します image

 

スキン > スキンウェイトのコピー をクリックして、身体のモデルのウェイト情報を服のモデルにもコピーします image

 

ボーンの回転を変更したときに服のモデルもついてくれば設定完了です image

脇の下のウェイト設定が甘いですが、今回はこの設定は割愛します

 

 

最後に、服のモデルを選択し 選択項目の書き出し をクリックします

設定の ジオメトリ > スムージンググループ にチェックを入れておきましょう Monosnap_Image_2025-02-17_18-30-46

 

最後にUnreal Engineで、先ほどエクスポートした洋服モデルをMetaHumanに適用していきましょう!

 

Unreal Engine で設定をする

Unreal Engine に先ほど書き出したFBXファイルをインポートします

 

インポート設定を以下の画像のようにします image

 

 

編集したいメタヒューマンのBPを開きます image

 

 

表示をビューポートに変更し、BP内の「Torso」を選択します Monosnap_Image_2025-02-17_18-50-27

画像では服を着ていますが、本来は上半身の洋服はない状態で設定を進めてください!

 

 

Skeltal Mesh Asset を先ほどインポートしたFBXファイルに変更すれば、洋服が変更されます Monosnap_Image_2025-02-17_18-50-59

 

これでMetaHumanの洋服が変更されました!!

まとめ

ここまででMetaHumanの洋服をオリジナルのものに変更する方法をご紹介しました!

デフォルトの洋服では物足りない、違う格好をさせたいと思われた方は、ぜひこの方法を試してみてください!

 


 

おまけ

先日開催された「DXフェス2025」では受付で私、野崎のMetaHumanこと「Meta野崎」が来場者をお出迎えしてくれました! DSCF2075

個人的な反省として、洋服を作成するときに使った骨格とMeta野崎の骨格のサイズを間違えていたため、肩のあたりにめり込みが生じてしまいました。。

みなさんが実践される際はボディのモデルのサイズと体型にご注意ください!!

 


この記事の著者

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野﨑 光

朝日放送グループホールディングス株式会社 DX・メディアデザイン局 R&Dチーム

CG関連の研究開発、視聴データ・動画配信データ等のデータ利活用業務を担当。 ロゴ・動画・3DCGなどのデザイン関連から、TouchDesignerを使用した展示システム構築など幅広く取り組んでいる。